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フィンランド式サウナ

非常に広義な意味で使われることが多くなってきているフィンランド式サウナだが、フィンランドサウナ協会理事 マルコ ハマライネン氏によると「本物のフィンランドサウナの文書による厳密な規則及び定義はありません。 」と語っており、厳密にフィンランドサウナを定義することは難しい。
ただ、あえて、フィンランド式と言われるサウナやサウナの入浴方法を紹介すると下記のようになる。

スモークサウナ

キングオブサウナとも言われるサウナの元祖。
大きな薪ストーブで薪を燃やすが、スモークサウナには煙突が無く、煙をサウナ室に充満させる。
煙が充満している間はもちろん入浴が不可能で、何度も何度も薪をくべたりしながら何時間もかけてサウナ室を温める。
薪を燃やし切って、対流した煙を壁の隅などに開けられた小さな通気口から全て逃し切ってから入浴が可能で、通常は7-8時間くらいかけて入浴可能な状態になる。
スモークサウナには火事はつきものと言われるくらい火の管理が難しく、長年の経験や知識が必要とされる。
スモーキーな香りと、サウナの元祖とも言われる歴史的なロマンと、何時間もかけて熱せられたサウナストーンでしか生み出せないロウリュ時の濃厚な蒸気が魅力の一つ。
また、スモークサウナにはウィスキングが欠かせないと言われており、ウィスク(白樺などの枝葉を束ねたもの)を水に浸して、水をつけたまま体を叩く。
とても寒いフィンランドでは、徐々に温度が低下するサウナ室は、時に暖をとる場所でもあり、時に寝る場所であったり、時に出産をする場所でもあったみたいだ。

薪サウナ

スモークサウナと形状はほとんど同じだが、煙突がついていて、煙を外に逃す方式。
薪を使ってサウナストーンを熱し、空気を温める対流式でサウナ室内を温める。
薪のくべ方に応じて温度が異なるため、温度は65度くらいから100度越えまで色々とセッティングが可能。
薪のくべ方にも知識や技術が必要とされる。
薪自体に適度に湿気が含まれているため、電気式のサウナに比べて柔らかな熱が肌にゆっくりと浸透していくような心地良さがある。
遠赤外線の効果もあって、低温でも体の芯からしっかりと温まることができる。
また、薪サウナのロウリュは蒸気・音ともに素晴らしく、セルフロウリュ愛好家には薪サウナが至高と言われることも多い。
薪は適度なタイミングで継ぎ足しをしないと火力が弱くなってしまうので注意。
日本では薪サウナに入浴できるところはかなり少なく、本国フィンランドでも薪サウナはなかなかお目にかかれなくなっているとのこと。

アイスサウナ

Visit Finland より転載

まさにフィンランドでしか味わえないその名の通り氷のサウナ。
冬季限定で、かまくらのように氷ブロックを積み上げて作り、その中でサウナを楽しむ。
氷で囲まれているため温度は暑くなりすぎず、マイルドな蒸気が楽しめるという。
しっかり温まったあとは、湖の氷に穴を開けて体を冷やすという、まさに寒さを味わうサウナだ。

ロウリュ可能なサウナ

フィンランドのサウナにロウリュは必須。
特にフィンランドでは身体的に温まることはもちろん、ロウリュをすることで精神的な面でもプラスになるということ。
ロウリュは時に自宅のサウナに誰かを招いて他人をもてなす素晴らしい方法としても使われたり、サウナストーンとの会話を楽しむために行われるとのことだ。
また、ロウリュとはサウナ室の空気を熱くするわけではなく、あくまでも湿度を上げることで体感温度を上げるというもの。
常に温度が一定でないサウナ室に対して、ロウリュを行うことで体感温度を調整するという役割も持つ。

アウフグースはフィンランド式ではない

ちなみにサウナの本場フィンランドではアウフグースが行われることはあまり無いみたいで、アウフグースはドイツの文化だ。
ドイツではアウフグースは完全にエンタメ化していて、音楽や光、時にはアウフギーサーがピアノを弾いたり、ちょっとしたストーリーがあったりと、パフォーマンスを楽しむことができる。
フィンランドではサウナはリフレッシュをする場所であるため、アウフグースのような派手な演出はあまり好まれないとか!?

フィンランド式の入浴方法

サウナの温度は65度から130度くらいまで様々。好みや気分で入り分ける。
ロウリュをできる場所があって、必ずロウリュを楽しむ。
5分から30分の休憩(クーリング)があって、クーリングの間、飲食物を取ることが多い。水風呂は必須ではなく、氷中でのクーリングを行える施設は都市型のサウナ施設には少ない。
何度かこのサイクルを繰り返すが、サウナ施設によってはサウナ室内で飲食が可能な施設もある。
また、サウナはコミュニケーションの場でもあるので、サウナ室内やクーリング中も見知らぬ人とコミュニケーションをとったりすることも多い。
日本のように、サウナ室内やとといスペースでおしゃべりをすると咎められるような習慣もないようだ。
ただ、もちろん他の入浴者に配慮することは重要なガイドラインのようだ。
また、サウナと食事は密接な関係にあるようで、サウナ中やサウナ後のクーリングタイムで食事や軽食を取ることが多いため、カフェが併設されていたりする。

公式サイトより

実際、フィンランドではバーガーキング内にサウナがあって、ハンバーガーを食べながらサウナに入れるお店もあるという。
まさにサウナが生活と密接していることが窺える。

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